【タイトル】

「こうしたい!」が思考力の源

【本文】

年長にじの組の遊びを見ていて、6月から、ずっと考えていることがあります。 どうしたら、自分なりに考えたり、工夫したり、試行錯誤したりする思考力は育まれるのかなと。 どうして、にじの組のこどもたちは、こんなに考えたり、工夫したり、試行錯誤したりする力が積み重なっているのだろうと。     今日は、にじの組のこどもたちの素敵なつぶやき(名言)を2つ紹介しながら、考えてみたいと思います。   ボールのコースづくり  スーパーボールを樋や筒を使って、できるだけ遠くまで転がすコースを作っています。ボールが途中で止まったりコースから出たりすると、「なぜだろう?」「どうしたらうまく転がるだろう?」と考えます。 何度も何度も作っては直し、崩れては直しを繰り返すうちに、樋の高さや角度、つなぎ目の重ね方が分かってきます。ボールが途中で止まると、以前は手で押して進めていましたが、今はコースの高さを変えて、ボールのスピードを調節して、進めようとしています。急カーブはスピードが出すぎるとコースから飛び出てしまうことに気付き、カーブ直前で傾斜を緩やかにしてスピードを落とすなど、高度な試行錯誤をしています。そして、こんな素敵な発言をする子も・・・。 「僕の夢は、ボールが転がる力だけで、コースを一周させることなんだよね」 夢に向かって、仲間と一緒にコースを作ることを楽しんでいます。   自動でボールを運ぶしかけ作り にじの組のこどもたちは、さらに最後のゴールまで行くと、スタートにボールを運ぶしかけを園長先生と考えました。手でボールに触れず、紐と牛乳パックを使用し、ボールを自動で運ぶエレベーターです。   ボールが最後のゴールまで行くかを、見届けます。   ボールを運ぶエレベーターは、2人組で操作します。一本の紐はエレベーターを上下させます。もう一本は、ボールが自動的に転がり出るように、エレベーターの角度を調整します。紐を引いたり、緩めたりして高さや角度の調整が必要です。互いに状況を見ながら考えて、息を合わせる、気持ちを合わせる、言葉を掛け合うことが重要です。 誰かが「一人でやらせて」というと、一緒にやっていた友達が、「みんなでやるのが遊びだよ。」と一言。「そっかぁ」とすぐに納得している姿を見て、一人では味わえない楽しさや喜びを知っているからこその、『そっかぁ』なのだなと思いました。         にじの組のこどもたちが、試したり、考えたり、工夫したり、試行したりすることを楽しめるのは、 1.主体的に遊び、何日もかけて遊べる持続可能な時間・場所・空間があり、(桶や筒、キングブロックなど)環境が構成されていること 2.友達と一緒に対話をしながら、考えを出し合ったり、協力したり、うまくいかなくても時に笑い合いながら何度も繰り返しチャレンジしたりする友達関係が育まれていること 『みんなでやるのが遊びだよ』 3.「こうしたい」という思いが生まれ、遊びを創り出し、没頭して、探求しながら、思いを実現する楽しさを積み重ねていること    『僕の夢はね・・・』   (最初は、ボールをキングブロックの上を転がし、遠くまで転がしたい!) (⇒高低差をつけながら、みんなの部屋からにじの組の部屋までボールを転がしたい)   (⇒カーブをつけて、一周ぐるっと回らせたい)   (⇒自動でボールをスタートからゴールまで転がしたい) 「やったー大成功!!」満足感でいっぱいの表情です。   友達や先生と一緒に、試行錯誤しながら、にじの組の夢がたくさん叶いますように。


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